超初心者支援ページ



8403 住友信託銀行

平成17年06月17日(金)


 本日ご紹介するのは8403 住友信託銀行です。住友信託銀行は専業信託銀行の上位で、財務体質の強さにも定評がある企業です。

 不良債権の残高は2004年9月中間期で2230億円、不良債権比率2.2%と、大手銀行の中で最低水準、更に投入された公的資金も完済しています。国際決済銀行の自己資本比率(BSI)比率は13.2%と、これも大手銀行の中で最上位クラスと、財務面の強さは断トツといったところです。

 昨年12月には信託の代理店業務が、従来の金融機関のみから一般事業会社にも開放されたことが、販売窓口の拡大、という追い風に繋がっています。

 注目の新材料は、金融資産5億円以上の超富裕層を対象としたプライベートバンキング専門会社を今月半ばにも設立することです。資産運用や相続などのコンサルティングを中心に提供して報酬を得るほか、高額の死亡保険などの専用商品開発なども提携金融機関に依頼するなど、多岐にわたる商品の販売も進めていくものです。3年間で1000人に新規開拓を目指しており、収益性の高い事業として注目されます。

 CSFB証券では、8日付けで、投資判断を「ニュートラル」から強気の「アウトパフォーム」へ、目標株価を750円から780円へと引き上げていることも支援材料となります。

 株価は670円台で1000株単位の銘柄です。

 今3月期業績は、経常利益で前期比4%増ながら、最終利益は17%減とマイナスの見通しとなっています。ただ、減益見通しに対する失望感などから株価が下落したこともあり、OER13倍台、PBRも1.3倍台と非常に割安感のある水準となっています。財務体質の強さと合わせると、下値不安は非常に少なくなること、更に株価が目先の上値メドとなる25日移動平均線を抜いてきたことで、ここからの反発機運が高まっています。徐々に700円〜800円台を値ある展開が期待できます。





配当総額、連続の最高更新



 16日付け、日経新聞によると、2006年3月期の配当総額が、前期の10%増で、連続の過去最高更新、配当性向も0.2ポイント上昇の24.1%になる見通しとしています。各企業の業績拡大に伴って復配、増配を行う企業が増えるほか、国内外を問わず、「もの言う投資家」が増えてきたことで、各企業も内部留保から、株主還元としての配当上積みを進めていることが背景にあります。ただ、これでも欧米の配当性向30〜50%という水準と比較すると、まだまだ株主還元が足りないようで、今後も増配が期待できる流れとなっています。

 株式投資というと、これまでは値上がり益を求めるキャピタルゲイン狙いが殆どでしたが、増配の動きにより、配当で利益を狙うインカムゲインにも妙味が更に増してきた、といえるでしょう。




松原佐代子

日本テクニカルアナリスト協会・検定テクニカルアナリスト(CMTAU)
日本ファイナンシャルプランナーズ協会・AFP

 95年より猛烈に株式意欲湧き、株式投資を猛烈に研究、テクニカルアナリスト資格取得、FP資格取得、株式投資家としても実績を重ねて独自の運用システムを開発。今ではプロとして独自の見方による銘柄発掘をして評価を得るようになった。銘柄を徹底研究、成長性ある妙味ある株を紹介する。