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平成17年6月22日(水)
● この先の押し目は短期買い場
■今週は一旦軽い調整を想定します。タイミングの12・26日RCIは過熱圏に揃い、11500円回復で短期達成感も出やすいためです。ただ6日・25日騰落レシオがしっかりと上昇。特に6日騰落レシオが中立の100%を割り込まない水準で推移出来れば、買い意欲堅調ととらえられ、短期調整のあと、7/1・日銀短観に向けてもう一段の上昇も考えられるため、この先の押し目は短期買い場と考えます。
水準的には、ローソク足をサポートする形で推移し始めた13週線・11336円〜52週線・11273円が週足の目安。日足では、6/2の戻り高値11374円・200日線・11265円など、11300円前後には支持帯もあり、押し幅は少なそうです。
■問題は原油価格。WTIで58ドル台まで上昇し高値。過去の米国株と原油価格とは反比例が鮮明。これ以上、原油価格が上昇すれば、インフレ懸念が後退した米国市場で再びインフレ懸念に火がつき、米国株の上昇一服→日本株もお付き合い、というパターンにいつ入り込んでもおかしくないこと。
OPEC総会での原油生産枠の2段階引き上げは、当面出せる増産策を出し尽くした、と言うのが大方の見方。石油施設のフル稼働や生産能力の問題など、消費国側も産油国側も手の打ちようがないのが実態のようで、投機筋の原油買いに拍車をかけている模様。
70年代から80年代に起こった2度の石油ショックでも、日本株はジリジリと上昇したが、当時は過去の上昇ピッチに比べその勢いは半分以下のパフォーマンス。今回も上昇はするがピッチの鈍いパターンとなり、今後の数年間、原油高を横目でにらみつつ原油価格とお付き合いの相場がしばらく継続するのか非常に不透明ですが、常に原油高→インフレ懸念を警戒し、用心用心の相場と考えるべきか。そして、どの様なポジションを組み、どうなれば外すのかなど、やりにくい相場が続くのかもしれません。
短期売買をお勧めするのではありませんが、「常にリスクと背中合わせの相場」、という認識で下落リスクの少ない銘柄を、タイミングを伺いながら拾うスタンスが必要なのではと、考えます。
著 者 紹 介 |
高岡隆一(たかおかりゅういち) |
1962年生まれ。私立大法学部を卒業後、株式関連企業に入社。株式講演・ラジオたんぱ(日経ラジオ社)の市況解説などを経て1997年に独立。現在、株式分析雑誌への寄稿・編集、講演会・株式情報の提供を中心に活動中。歯切れのいい解説や的確な相場判断には定評がある。
著書に『「株長者」になるための私のテクニカル投資法』(アスカビジネスカレッジ発行・明日香出版発売)がある。 |
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