A:いつもキッチンカブーにお越しいただきまして誠にありがとうございます。任天堂は5月下旬、6月初旬から力強く上昇してきました。
特に6月9日からの上昇は同日に開催された経営方針説明会で新たな据置型ゲーム機、開発コード名:レボリューションを開発中であることを公表したことがキッカケとなりました(米国で来春開催されるゲーム関連展示会に出展の予定)。
また、その後も堅調な推移を辿っていた理由としては2005年3月期の収益が下期に発売する携帯型ゲーム機「ニンテンドー・ディーエス」(本体で350万台、ソフトは1500万本の販売を見込む)で支えられる増収増益が見込まれており、内外の機関投資家から買いを集めたからだと考えられます。
加えて、信用残も売り残465千株、買い残74千株、倍率0.16倍となっていることで売り方の損失覚悟の買い戻しも膨らんだ模様です。
一方、足下では「金利上昇」という環境に置かれていることも追い風となったようです。同社は有利子負債がゼロという無借金経営なだけでなく、2004年3月期末の純現金残高(ネットキャッシュ)は7846億円と豊富な手元資金を有しており、「増益」につながる運用利回りの上昇に投資家が敏感に反応したと考えられます。
しかし、加速する少子化は同社にとって大きな懸念要因です。「大人向け玩具」など収益の安定化を急ぐ同業他社とは違い、あくまでも低年齢層を対象にしたハードやソフトの開発を進める戦略に「危うさ」を感じる投資家も多いはずです。やがて子供が一人もいなくなるであろう絶望的な国内を諦めて中国など成長市場へ活路を求めているものの、海外もまた未知数です。
国内の景気回復基調が続き、個人支出も増えていることで強気見通しを持つことはできますが、具体的に同社株の目標を立てることは難しいというのが現状です。
私達の分析モデルによれば向こう6カ月における高値は14,200円程度、下値は11,600円程度と分析、6月相場の高値で今年の天井をつけた確率は50%、向こう6カ月の間に高値14,200円を超えた時か14,200円にできるだけ近い水準での「戻り売り」をお薦めします。
甚だ稚拙な解説ではございますが、お客様の投資のご判断にお役立ていただければ幸いです。今後とも何卒宜しくお願い致します。